2017年01月11日

映画鑑賞記 『こころに剣士を』


周りに数名、鑑賞した人がいて、とにかく良いから観て…と言う言葉に引っ張られるように鑑賞日を設定。実話を基にした作品で、その時代設定を考えると、自ずと話の流れは読めるのだけれど、ソビエト時代のエストニアだからこそ、恐怖政治の中で生き抜くための術として、坦々と声を潜めた生活があり、そんな中でも楽しみを見出そうとした人々の日常をとても穏やかに描いた映画でした。

この作品を見て、もう一つ引っかかったことは、統治国の公用語と母語という、日常の中で二つの言語を自然に使っていること。かの国では、おそらく独立を果たした今でも、当たり前のこと故に、ごく自然に取り込まれていることなのだと思うのだけれど、個人的には、とても複雑で、単にそういう歴史だから、では済ませたくない引っかかりがありました。この引っかかりについて、すっきりと言葉にできる日は来るのかな…

日本語タイトルに影響を受けた言い様ではあるけれど、密告や秘密警察に怯え、一方で、その怯えに屈しないという態度。葛藤しながらも、子どもたちをこれ以上悲しませたくない、と思い。その思いに向き合うために、自分のこころに剣を向け、もしくは、剣を携え、問い質しながら生き抜こうとした先生やおとなたち。子どもたちの抑えた感情表現や表情がより臨場感を増幅してくれていたと思います。

監督は『ヤコブへの手紙』のフィンランド人監督。一般的に語られる彼の国の、あの時代の日々を、わかりやすく表現。映画で描かれた世界に既視感が強かったのは何故なのだろうと、見終わってからずっと考えています。

そして、もう一つ。個人的な映画のお楽しみポイントがありました。エストニア語。本当にフィンランド語によく似ていて、今、こう言った!?あんなことを言ったのじゃない?と耳をそばだてつつ字幕も追っておりまして、五感フル活動で観た映画となりました。
posted by みほこ at 23:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画・演劇・音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする