2006年02月12日

映画「ククーシュカ〜ラップランドの妖精〜」に寄せて

フィンランド好き、フィンランドに関心がある・・・という人たちの間では、来週18日に静岡で開催されるサッカー日本代表とフィンランド代表の親善試合の話題、3月に公開が迫った全編フィンランドロケで撮影された映画「かもめ食堂」のこと、そして、表参道にオープンするというmarimekkoショップのことがあいさつ代わりになっている・・・勝手に話を作ってみたりしていますが・・・今日は、ロシア映画のお話。


3月末から渋谷シネ・アミューズでロードショー
全国にも回るそうです。

監督はロシア人、映画の舞台はフィンランド。登場人物は、ロシア人、フィンランド人とサーミ人(フィンランド領内に住んでいる)。そして、映画で使用されている言葉は、フィンランド語、サーミ語、ロシア語。時代は、1944年。つまり第2次世界大戦末期。
お互いに母国語しか理解できない登場人物たちが、戦時下のフィンランドのラップランドで出会い物語が始まります。

この時代のフィンランドの背景は知っていないと映画の状況は理解するのは困難かと思います。せっかくなので、この映画をきっかけにフィンランドの歴史にも興味を持っていただけると嬉しいです。
第2次世界大戦の時、フィンランド領内にはドイツ軍が対ソビエトという関係で進出しておりました。歴史から見て判るとおり、ドイツは敗退してフィンランドから軍を引くわけですが、このとき、ラップランドの州都(という表現にしておきます)、ロヴァニエミを焼き払ってしまいます。そんな時代のラップランドが舞台です。ロヴァニエミが焼き払われた状況などは、ロヴァニエミにある「アルクティクムハウス」という博物館内に詳しく展示されていますので、ご旅行などで「サンタクロースに会いたい!」とロヴァニエミまで足を延ばされる方は、ぜひ、このアルクティクムハウスにも立ち寄ってみてください。サーメ人の生活様式についての展示もありますし、北極圏内に住む動物たちについての展示もあってなかなか充実の博物館で、博物館好きの方にはお勧めです。

ところで肝心の映画について、ちょこっとこぼれ話を・・・。
この映画、3ヶ国語で展開するとあって、字幕を作る作業はさぞたいへんだったろうと想像します。友人の山川亜古さんが「サーミ言語文化研究」をしており、フィンランド語も本職で、今回この映画の字幕作りに携わったのでお話を伺いました。
映画の字幕は、英語字幕から日本語翻訳が行なわれたそうです。ただ、外国映画を見て判るとおり、字幕の文字数はとても限られたもの。登場人物たちが長々としゃべっているのに対して字幕はあっさり・・・ということもママありますね。今回、彼女が担当したのは、日本語テキスト(字幕)になったものと、映画の中で実際に話されている会話を聞いて誤っているところはないかという確認作業。そして、字幕には起こされていないけれど、本当は訳しておいたほうが映画の理解のためにも、また、映画の面白さのためにも必要なところの洗い出しと日本語化だったそうです。つまり、字幕翻訳監修というのがお仕事。
ロシア語の部分は、他の方が同様の作業をされたそうです。

主人公の一人サーミ人のアンニ役は、本名もアンニさん・・・
アンニさんの母語は、サーミ語とフィンランド語。フィンランド領域内に住むサーミ人は現在約7,400人。けっこう大勢いますよね。なのに・・・です。亜古さんが勉強をしたフィンランドのオウル大学のサーミ学科で、主人公のアンニさんのいとこが友人にいたというのです。その上、研究のために色々とラップランドを巡っているときに懇意にしていた家族の親戚筋でもあったとか。世界は本当に狭いです。スクリーンの中のアンニさんと日本語テキストをつける作業に携わった亜古さん、いいつながりができてよかったなと思います。

首都ヘルシンキの風景は映画「かもめ食堂」で。ラップランドの広大な風景は映画「ククーシュカ」で堪能しましょう。
この記事へのコメント
こんにちは。
サーミ人にもとても興味があるので、この映画見てみたいなと思いました。
marimekkoショップ私のまわりでも話題になってますが、ビルは地下6階まであるとかで、marimekkoは地下なのか地上なのかとか話してました。
Posted by maco at 2006年02月13日 22:57
ここでは(笑)はじめましてです。うさです。
初カキコミです(微笑)
ククーシュカは、ちょっと見たくなってきましたし、
字幕も裏仕事では、そういうこともやるんだと!!ということがあって、ウサヒゲがピクピクしました♪
でもだからといって、戦中の時代のお話はどのジャンルも苦手なのですが・・でも、見に行きたくなりました。
さっそく、色々チェックしてみます。
Posted by うさ at 2006年02月14日 00:08
macoさま marimekkoショップ。ビルが地下6階まで!?う〜ん。それは、想像を絶する建物のような。地下鉄を突き抜けそうですね。

うささま いらっしゃいませ!
初書き込み。
戦争の時代のお話は苦手・・・ですか。でも、気になる映画となるきっかけになってくれると嬉しいなと思います。
Posted by みほこ at 2006年02月14日 21:31
ククーシュカのことを調べていてたどり着きました。
サーミの出る映画ということで楽しみにしています(^^)。
トラックバックを張らせていただいたのですが、文字化けてしまったようです。お手数かけて申し訳ないのですが、消してしまってください。
すみません。
Posted by 蒸しぱん at 2006年03月15日 02:15
今度はちゃんとTB張れたようです(^^;;
お騒がせいたしましたm(__)m
Posted by 蒸しぱん at 2006年03月17日 00:54
蒸しぱんさん
どうもありがとうございます。
問題、解決ですね。
よかった、よかった。
Posted by みほこ at 2006年03月17日 09:15
はじめまして! TBさせて頂きました。
アンニの飾らない性格と3人の関係、かみ合わないセリフがとても魅力的で面白かったです。
密度の濃い空気をスクリーンから感じて、森の中でマイナスイオンを浴びたような、心地良い映画でした。
字幕翻訳の裏話、とても興味深かったです。
フィンランド、素敵な国ですね。「かもめ食堂」もますます観てみたくなりました。
Posted by bakabros at 2006年03月20日 05:20
bakabrosさんは試写会専門でおられるのですね。
TBありがとうございました。
いよいよ東京では、3月25日から公開のようです。
私もできるだけ早い時期に映画館へ出かけたいと思っています。
Posted by みほこ at 2006年03月20日 21:31
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