・・・またRAJATONか・・・と思われてしまいますね。ええ、そうです。また、RAJATONです。でも、今回は、彼らの母国、フィンランドでのコンサートです。現在、10周年記念コンサートツアー開催中で、私のフィンランド滞在中に首都圏でのコンサートがあるとわかったら行かないわけにはまいりません。
本日の会場はKULTUURI TALO(クルットゥーリ・タロ)。フィンランドの建築の巨匠アルヴァ・アールトが設計したホール。フィンランディア・ホールと違って、音響がとても良いホールとして知られているのだそうです。RAJATONは、ア・カペラですから、音響・命ですものね。
休み時間を入れて2時間半ほどのコンサート。聴衆は、年齢層が幅広く、むしろ、私よりも年上の方々の方が多いかなという印象。それゆえに、ロビーでのしゃべり声も低め。開場までの間、多くの人が「ドリンク」を楽しんでいました。ワイン、コニャック、コッス(サルミアッキ・コッスもあった)・・・RAJATONというグループに、どれだけ幅の広いファン層がついているのかが良くわかるコンサートでした。
10周年記念コンサートツアーと謳っているだけあって、メドレーでABBAのカバー曲を歌い、彼らのオリジナル曲もメドレーで歌われ、聴くことができた曲の数は多いコンサートでした。
今年は、シベリウス没後50周年の年。しかも、今日のコンサートは、12月6日独立記念日にテレビ放映される!!とあって、アンコール2曲目の歌、コンサート最後の曲には、泣かされました。(あ、本当に涙を流したりはしなかったですよ。)
この秋に発表されたばかりのアルバム「MAA」(日本語にするなら・・・なんでしょう。ランド、地面、「フィンランドの地」・・・でしょうか。)も入手。
この夏、ソウルで開催されたAMAZING VOICEとテジョンのコンサートで「母国語で歌う歌ですが・・・」と言いながら歌って、ものすごい拍手喝さいを受けていた曲がトップの曲になっていました。今回のコンサートの一曲目もこの曲。コンサートで先に聴いていたので、アルバムで聴くと生の迫力がなくて、ずいぶんとおとなしい印象の曲になっていましたが、「いい曲」です。新譜は、フィンランドの詩人Eino Leino(エイノ・レイノ)の詩に作曲した曲も多く、やはり、RAJATONは、フィンランドの人たちにとっては特別なグループであり続けるのだろうなという印象です。詩人・作家という職業・肩書きを脇によけて、エイノ・レイノという人を知ろうとすると、とても興味深い人のようなのですね。
詩は、読むこと自体ハードルの高い作品。母国語の日本語ですらそういう抵抗感があるので、外国語の詩を読むというのは、無謀な挑戦。それでも、言葉が音符に乗って、なおかつ表現されただけでなんとなく情景が目に浮かび、もしかして、意味が理解できているのではないかと感じることができるようになったこの頃。そんなに肩肘をはらなくても、何かどこかにひっかかるものがあれば、読者しては及第点なのではないかと思うようになったので、これから詩を読むということにも挑戦してみようかなと思っています。日本語の詩でも、音から、歌から親しみを持つ癖がついているので、なんとなく詩を味わうには音楽付きが、抵抗がなくてよいですね。
新譜についてもう少しレポートすると、このアルバムの最後を飾る曲がシベリウス。もちろん、言葉・歌詞はなく、楽曲のアレンジをしているだけ。Op.44-1「悲しきワルツ」。どういう曲が入っているかを知らずにコンサート後、ずっとCDをかけていて(つまりこれを書きながら)、あら?も、もしかして、シベリウスじゃないの?と思ってアルバムのライナーノーツを確認してびっくりしたところです。
コンサート。本当はもっとみんな盛り上がりたかったのでしょうけれど、カメラが入っているということがわかっていたので、みんな、おとなしめ。演奏が終わって、エコーが聞こえるまで拍手を控えているなという様子もわかり、ステージ上のRAJATONに負けず劣らず、われわれ聴衆も緊張していました。でも、きっと、12月6日の独立記念日は、今と違ってすっかり冬。首都ヘルシンキも、フィンランド全土が雪に包まれる静かな季節に変わっていると思うので、そんな日に、ここフィンランドに滞在する方は、ぜひ、チャンネルとMTV3に合わせてほしいなと思います。たぶん、大統領官邸のパーティ生中継の「裏番組」になるのでしょうけど。
2007年10月26日
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