一日では書ききることが出来なかった#ブックカバーチャレンジの記録。
今日は、中日4日目から最終日までの本についての記録です。
勝手に設けたテーマ「つなぐ」で並べた7日間の記録。
第四日目

日本の国という水槽の水の入れ替え方 憂国の随想集
書籍はいまだに紙派。表紙と紙の質感とフォントの力で本に引き寄せられることも多いと言うのが最大の理由。電子機器で文字を読み続けると、くたびれるからというのがもう一つの理由。
この本を手に取ったきっかけは新聞の書評。2004年発行。このところ「春宵十話」「一葉舟」など、随筆集ごとに体系的に文庫本で手に入れやすくなっている数学者岡潔の存在を初めて知った本でした。タイトルとなっている随筆は、「昭和への遺言」の中の一篇。岡氏が亡くなったのが1978年、昭和53年。昭和の時代が終わる10年手前。まだ続きそうな昭和への遺言というよりは、昭和生まれに対する遺言と読み取って、次世代へつなぐ気持ちを感じ取った随筆集。岡潔の随筆を読むのであれば、この単行本でもぜひ読んで欲しいです。
第五日目

アルカイダから古文書を守った図書館員
タイトルに引きずられて、逆に手に取らない人もいるのかも、と余計な心配をしております。原書タイトルは、The Bad-Ass Librarians of Timbuktu: And Their Race to Save the World's Most Precious Manuscripts. 一度失うと再び元に戻すことが出来ない古文書を守るために決死のプロジェクトを敢行した図書館員と協力者たちの実話。元々、古文書避難を取り仕切った主人公は、散逸していた文書を丹念に集め、古文書図書館なるものを設立してしまった人物。何故、この古文書が狙われたのか、その貴重であることの意味も含め丁寧に、丹念に記録されています。学び考え記録に残す。その記録から再び学びへとつながる。記録そのものが財産で、これは、次のそのまた次の世代に残っていく。これを喪失するのはとてつもなく大きな危機だということに賛同した人たちがなんと多かったことか。
第6日目
『紙つなげ!彼らが本の紙を造っている 再生・日本製紙石巻工場』 佐々 涼子 著 早川書房

紙つなげ!彼らが本の紙を造っている 再生・日本製紙石巻工場
東日本大震災で被災した製紙工場の再生までの記録、なんて書かなくてもタイトルから一目瞭然。どこか一か所が停止すると、こんなにも連鎖反応が起こってしまう。私たちは共存している社会の一員であることを感じると同時にあきらめないという気持ち、そして、臨機応変に対応することの大切さに気付かされた本でした。こういう本が、疑似体験させてくれることで、いつかどこかで、何かが起こった時に役に立つことも願って、後世に残って欲しい本の一つです。
第七日目

木のあかちゃんズ
この絵本が好きだな、と感じるのは、繰り返し読みたい、見開きの絵の中に、なんだか面白いことないかな、といつの間にか探し物をしている時でしょうか。
木のあかちゃんとは、つまりどんぐり。種ってこともありえるわけです。それが、どんなタイミングで親の木から飛び出すのか。どんな風貌であかちゃん時代を過ごすのか。そんなことがわかる静かで楽しい絵本です。どんぐりも、種も、きっと要領の良い子もいれば、どんくさい子もいるだろうな、なんて思ってしまいます。
どうしてこの7冊を選んだのか。まとめてちょっとすっきり。