2021年03月25日

【映画鑑賞記】『世界で一番しあわせな食堂』 原題 Master Cheng

 映画レディースデイに合わせて『世界で一番しあわせな食堂』を観てきました。

 フィンランド好きには、風景、音楽、そして笑いの壺など、ドはまりするところがいっぱい。ほんわかした気分になりたいな、という方には特にお薦め。人に感謝すること、助け合うこと、応援すること、見守ること、親子関係、そして、人間関係って大切なことだよね、と言うことをフィンランド流にアレンジされてたくさんのシグナルが発信されているように思いました。都会ではないところで生きて行くことの面白さとたいへんさと切なさも出ていたように思います。母語が違う人たちが、共通言語である英語を使って、とてもシンプルな言葉で意思疎通しようとするところも好きなところでした。

 

 
 

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2020年05月28日

#ブックカバーチャレンジ 挑戦 7日間の記録 ~後半~



一日では書ききることが出来なかった#ブックカバーチャレンジの記録。
今日は、中日4日目から最終日までの本についての記録です。
勝手に設けたテーマ「つなぐ」で並べた7日間の記録。

第四日目

日本の国という水槽の水の入れ替え方 憂国の随想集


書籍はいまだに紙派。表紙と紙の質感とフォントの力で本に引き寄せられることも多いと言うのが最大の理由。電子機器で文字を読み続けると、くたびれるからというのがもう一つの理由。
この本を手に取ったきっかけは新聞の書評。2004年発行。このところ「春宵十話」「一葉舟」など、随筆集ごとに体系的に文庫本で手に入れやすくなっている数学者岡潔の存在を初めて知った本でした。タイトルとなっている随筆は、「昭和への遺言」の中の一篇。岡氏が亡くなったのが1978年、昭和53年。昭和の時代が終わる10年手前。まだ続きそうな昭和への遺言というよりは、昭和生まれに対する遺言と読み取って、次世代へつなぐ気持ちを感じ取った随筆集。岡潔の随筆を読むのであれば、この単行本でもぜひ読んで欲しいです。

第五日目
アルカイダから古文書を守った図書館員


タイトルに引きずられて、逆に手に取らない人もいるのかも、と余計な心配をしております。原書タイトルは、The Bad-Ass Librarians of Timbuktu: And Their Race to Save the World's Most Precious Manuscripts. 一度失うと再び元に戻すことが出来ない古文書を守るために決死のプロジェクトを敢行した図書館員と協力者たちの実話。元々、古文書避難を取り仕切った主人公は、散逸していた文書を丹念に集め、古文書図書館なるものを設立してしまった人物。何故、この古文書が狙われたのか、その貴重であることの意味も含め丁寧に、丹念に記録されています。学び考え記録に残す。その記録から再び学びへとつながる。記録そのものが財産で、これは、次のそのまた次の世代に残っていく。これを喪失するのはとてつもなく大きな危機だということに賛同した人たちがなんと多かったことか。

第6日目

『紙つなげ!彼らが本の紙を造っている 再生・日本製紙石巻工場』 佐々 涼子 著 早川書房
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東日本大震災で被災した製紙工場の再生までの記録、なんて書かなくてもタイトルから一目瞭然。どこか一か所が停止すると、こんなにも連鎖反応が起こってしまう。私たちは共存している社会の一員であることを感じると同時にあきらめないという気持ち、そして、臨機応変に対応することの大切さに気付かされた本でした。こういう本が、疑似体験させてくれることで、いつかどこかで、何かが起こった時に役に立つことも願って、後世に残って欲しい本の一つです。


第七日目


木のあかちゃんズ


この絵本が好きだな、と感じるのは、繰り返し読みたい、見開きの絵の中に、なんだか面白いことないかな、といつの間にか探し物をしている時でしょうか。
木のあかちゃんとは、つまりどんぐり。種ってこともありえるわけです。それが、どんなタイミングで親の木から飛び出すのか。どんな風貌であかちゃん時代を過ごすのか。そんなことがわかる静かで楽しい絵本です。どんぐりも、種も、きっと要領の良い子もいれば、どんくさい子もいるだろうな、なんて思ってしまいます。


どうしてこの7冊を選んだのか。まとめてちょっとすっきり。

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2020年05月27日

#ブックカバーチャレンジ 挑戦 7日間の記録 ~前半~



Facebookで(Instagramも対象のようですが)ゴールデンウィーク前後にタイムラインに盛んに並んでいた#ブックカバーチャレンジ画像。
いろいろ思うところはありましたが、まあ、やってみようと挑戦しました。「何も語らず画像だけ載せよう」という注意書きがあったので、本当に画像だけ載せました。何故その本を選んだのか、読んだときに何を思ったのかを少し説明しないことには、いろいろ伝わらないのにな、と思ったのですが、語りだすとキリがなくなるので、作者名も出版社も語らずに書影だけ載せていました。

自分のアカウント上に掲載するものとはいえ、SNSなので、どんどん流れていくばかり。せっかくなので、こちらに記録として残します。ここに本のことを書くのは久しぶり。

この時期に、こんな挑戦をするのは、単に読書の普及のためだけではないはずと思い、本選びにあたって「つなぐ」がキーワードの一つに考えられるものを選びました。
果てして、「つなぐ」の気持ちがこのブログを読みに来てくださった方につながるでしょうか。


第一日目

「おじいちゃんとパン」え・ぶん たな パイインターナショナル

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書店で初めて見たときは、立ち読み。買い求めるか否かをちょっと考え、とりあえずその日は帰宅。後日、また、同じ書店で立ち読み。ほかの書籍を買う予定があったので、どうしようかと迷う。そして、三度目で購入。読むたびに発見があり、読むたびに、ほっこり。おじいちゃんとぼくをつなぐ「パン」しかも食パン。おじいちゃん、実はかなりおしゃれ。食パンアレンジも豊富。ぼくとおじいちゃんのぼそぼそっとした会話が好き。私が大好きで「おじいちゃま」と呼んでいた祖父。しょっちゅう会える距離にはいなかったので、日常生活のぼくとおじいちゃんの関係が羨ましくもあり、そんな日常を疑似体験させてくれる絵本です。

第二日目

「蒼路の旅人」上橋菜穂子 著 偕成社
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人と人とのつながりが、人をまた力強くしてくれることを語っている物語として思い浮かんだのが、上橋菜穂子さんの「守り人」シリーズ。文庫本化されて初めて存在を知ったので、上橋作品デビューは割と最近のこと。初めて読んだとき、この物語を小学生や中学生の時代に読める今の子どもたちにちょっと嫉妬。数あるシリーズの中で、この作品を出したのは、主人公の一人チャグム少年がたくましく成長し、自分の意思で行動する壮大な旅物語でもあるから。


第三日

「少年が来る」ハン・ガン著 井出俊作 訳 クオン社

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ハン・ガン氏の作品では、「菜食主義者」がマン・ブッカー国際賞を受賞したことでも有名だと思いますが、個人的には「少年が来る」の方が、ひりひり度合いが高く、小説だからこそ1980年の光州事件のことを冷静に読み、感じ、知ることが出来たと思っています。この「事件」のことが、外の世界へ伝わったのは、人と人とのつながりがあったからこそではないかと感じたのは、おそらく「少年が来る」の影響。そして、40年経過しようとする少し前から、小説や映画などで当時のことを伝え、後世へとその事実をつなげて行こうとする意識を感じています。また、自分たちが生きる今の時代に大切なこと、後世のためにどのような生き方をしたらよいのか、もっともっと想像力を駆使して考えよ、と呼びかけているのがフィクション作品ではないか、と改めて強く感じた作品でもありました。


今日は、3日目分まで。残りは明日(たぶん)。

それにしても、こういうチャレンジ系のチェーンメールってどこから発生するのでしょうね。
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2020年02月22日

北欧語書籍翻訳者の会 


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北欧5か国で発表されている書籍(文学、絵本、フィクション等なんでも)の翻訳に携わっている人たちが、一緒になって何かできないか…ということで立ち上がった任意のグループ『北欧語書籍翻訳者の会』。メンバーには、たくさんの日本語翻訳書を既に送り出している方々も多いのですが、そんなグループに、この1月から加わらせていただきました。多くの方に北欧から発信されている文学・書籍に興味を持っていただくための活動も行っており、その一つがメンバーが輪番制で書いているブログ。Noteのサービスを使って週1回更新しています。毎回、それぞれの国ならではの話題で読み応えのある記事がアップされています。

ぜひ、ここに立ち寄ってくださる方にも読みに来ていただけると嬉しいです。






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2019年12月30日

Michi・みち~の~Nordic Tales

今年もいろいろな出会いがありました。
人と出会い、出来事に遭遇し、映画を楽しみ、花を愛で、本でいろいろな時空へ旅しました。

本に親しむ時間をそれほど多くとることができなかったので、本から飛びたてた時空と出会いは大満足と言えるほどではありませんでした。それでも、こんなにも魅かれる絵本作家さんに遭遇できたことはとても嬉しい出来事でした。その作家さんとは、junaidaさん。略歴を見ると有名な百貨店のイメージポスターを手がけるなどの経験もお持ちなので、ファンの方は多く、もしかすると私が出会えたのはかなり遅い出会いなのかもしれません。

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junaidaさんを知ったきっかけは、新聞の書評欄でした。「Michi・みち」という作品でした。本の存在を知ってから、実際に手に取るのには少し時間が必要でした。超大型書店にはありましたが、近所の本屋さんでは扱いがなかったのです。書評で手に取りたいと思ったのとは、ちょっと違う印象でしたが、好きになったことに違いはなく、すぐに何度か絵本の中を行ったり来たり。両A面風な絵本で、みっちゃんやみち君のたどる道を追いながら楽しめる物語。見開きの絵一枚一枚を一つの作品として、詳細に描きこまれている絵をじっくり楽しむこともできます。色と不思議絵マジックも潜んでいる作品です。

あまりにも楽しい絵本だったので、ほかの作品もないかとすぐに探しました。その時に、気が付いたのが「Nordic Tales」という絵本でした。フィンランドからトーヴェ・ヤンソン、スウェーデンからは、ラーゲルレーブ、そして、デンマークは、アンデルセン。北欧のファンタジー・童話作品をモチーフにjunaidaさんが描き下ろした絵が添えられた作品集。2014年に発表された作品で、junaidaさんは、描く前にそれぞれの国にも旅をされたようです。

この本を入手できたのがやっと先日。大型書店の棚にもなくて、取り寄せとなりました。

実は、この絵本を手に取る前に絵本「の」を手にしました。ちょうど、TOBICHI(ほぼ日のショップ&ギャラリー@青山)で原画展があるということも知って、原画展にまで足を運ぶことが出来たのが何よりうれしいことでした。製本された本でみるのとは違い、原画が本の順番そのままに、壁に並んでいるだけでわくわくします。大きな発見は、原画には、水彩画故の絵筆の跡がくっきりと残っていることでした。そして、紙面の感じがまた絵の雰囲気を柔らかくしているように感じました。絵本でもよく観察すると絵筆の跡はわかるのですが、原画は別格でした。

絵本は、時々、贈り物にしたくなるものに出会います。「の」は、贈り物にしたい、思わず誰かにプレゼントしたくなるような作品でした。贈りたいと思う相手は、いつも違いますが、贈り物にしたいと感じた絵本に出会ったときに、この人に渡したいと、具体的な誰かが思い浮かぶだけでとても幸せな気持ちになります。

今年の出会いの筆頭は、junaidaさんの作品と言えると思います。

来年も、読み応えのある作品に一冊でも多く出会えることを期待して、2019年を締めくくりたいと思います。

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2019年12月24日

映画鑑賞記 『決算!忠臣蔵』

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年末と言えば、忠臣蔵。このところはやりの、時代劇の派手な動きの裏側で、頑張っていた裏方に光を当てた映画の一つ。いったい、これだけのことをやるのに、いくらかかってまんねん!?というお話しです。

かけそば一杯を今の貨幣価値に換算したところから物語が始まりますが、そんなに費用ってかかりますのんか・・・というところがたくさん。京・江戸往復にべらぼうに費用が掛かるのは、今と違って飛行機や新幹線や列車がないからですね。なんといっても日数がかかる。日数がかかれば、食費も宿賃もかかる。「敵」を欺くのにも金はかかる。でも、大石内蔵助殿、いったい討ち入りに本気になりだしたのはいつ頃からだったんやろうか…という点は、もやもやしたままでございます。まあ、身内にも裏切る輩がおったくらいなので、最初からずっとぼんくら風を気取っておった可能性はありますなぁ。くそ真面目な、子ども世代との対比もまた面白いものでした。

『武士の家計簿』『決算!忠臣蔵』いずれも、歴史学者様、いろいろ紐解いてくださってありがとう…な映画です。
『引っ越し大名』と『超高速!参勤交代』とは、ちょっと違うのかな…いずれも、大名さんもたいへんよねぇ。巻き添えとなる家臣やその家族はもっと大変かも知らんけど。こんな風に、ちょっと遠い江戸時代のことを、身近に感じさせてくれる映画という存在も大切だなと思います。

なんで、こんなけったいな文体か…というと、どうも影響されやすい体質のようなんですわ。普段から、相手さんの雰囲気とか、話される言葉とか、言い回しの影響をすぐに受けるんですわ。いいか悪いかは、別にして、今脳内では、抑揚も含めてすべて西側風になってしまってます。というわけで、堪忍な…。
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2019年12月18日

映画鑑賞記『リンドグレーン』



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リンドグレーンと言えば、一般的には、長くつ下のピッピの作家。私にとっては、「やかまし村」シリーズの作家。この「やかまし村」という訳文、最高です。

文才に恵まれたアストリッド・リンドグレーンが学校時代を終えて、新聞社へ就職し、リンドグレーンさんに出会うまでという10年ほどの期間のことが描かれています。映画冒頭で「リンドグレーンの半生を元に」とわざわざテロップが入ったので、脚色部分もかなり多いと知っておく必要がある内容。

姦通罪がある時代。望まぬ妊娠をした場合、どこで産むのかは重要な問題。当時、スウェーデン国内ではなく、デンマークまで行って産み、そのまま里親に託されることも多かったよう。どの家庭も子だくさんなのは当たり前。教会の持つ土地に住み、その土地を一家総出で耕し農作業。ちょっと風変わりなアストリッドは、つまらない議事録も楽しい読み物にしてしまい、空想でリアルなお話も描き出す。

晩年、スウェーデン中の子どもたちが送ってくれたお誕生日祝いのメッセージを読みながら、過去を回想するスタイルで進むこの映画。小説家になる前の、リンドグレーン氏に出会うまでの半生を描いています。

リンドグレーンという作家を知るための映画であると同時に、リンドグレーンが生きた時代のスウェーデンの社会的背景を知ることができる映画だと思います。

けっこうおすすめ・・・
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2019年10月19日

映画鑑賞記 『記憶にございません!』

映画鑑賞記 『記憶にございません!』

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映画公開から早1か月。人気映画とは言え、そろそろ行かねばと、映画館へ足を延ばしました。中途半端な時間帯だったにもかかわらず、席はけっこう埋まっていて、笑いの場面では、そこら中から吹き出すような笑い声が聞こえ、コメディ映画を映画館で見る楽しみも味わえました。

予告編で観ていた印象と違い、記憶がなくなった首相のやり直し物語だなと感じた一本でした。脚本・監督の三谷幸喜さんや作り手の方々の言いたいことてんこ盛りの作品だったと思います。今の政治をつかさどっている人たちの、心の内側には、こういう思いを秘めていますよね?という問いかけにもなっているように感じるのは、期待のし過ぎでしょうか。
設定が首相、内閣、国会議員とその周りを囲む人たちなので、どうしても今の「政界」と比べがち。もちろん、比べるからこその面白さ倍増コメディなのですが、社会と言う集団の中のどの部分にでも当てはまる人間関係や物事の動かし方が表現されていて、こんな風に映画という形で客観的に見せられると「ああ、こりゃけっさく!」ということが多いということにも気づきます。

登場人物の役柄設定や特殊メイクを含めた作りこみもパッとみて気が付くところと、おそらく何回も観ないと気が付かないところがたくさん散りばめられているのは想像に難くなく、一回だけではもったいない感じもしますが、なんといってもコメディ映画。くすくす、ガハハ、その展開!?と笑えることが一番大切。程よい加減にいろいろなことが混ざり合っていて、疲れも吹っ飛ぶ2時間強でございました。


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2019年08月31日

【映画鑑賞記】引っ越し大名!



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江戸時代の大名たちの右往左往ぶりを題材にした映画が少しずつ出てきておりますが、この作品もその一つ。「武士の家計簿」や「のぼうの城」「花戦さ」とは違った面白みがございます。「超高速!参勤交代」と同じ監督さんなので、なるほどと思う展開ですが、300年という長い江戸時代のこと。まだまだ私たちが知らないあの時代に生きた人たちのドラマはたくさんありそうです。
セリフの中に現代社会へのメッセージも入っていて(ちょっと露骨だったけど)、それもまたいい感じでした。江戸時代の幕府と大名、大名の中の人間関係を見るにつけ、日本の今の社会や企業内の人間関係というのは、この時代からあったものなのだ、と自覚することが出来ます。おそらく朝廷内でも同じことで、となると、1000年以上も綿々と連なる習慣なわけで、それを今から改革・改変するのは、当然至難の業。どんな勤行よりも難しいことのように思われます。先人の知恵は書籍にまとめられていて、それが後の世に行かされる、というよい例も何度も示されていて、こんな部分も現代社会の私たちへのメッセージととらえました。

それにしても、無体なお引越しでございます。あの距離を人力でモノを運び、自分たちはひたすら歩いで移動。お殿様は、かごには乗れますが、運ぶ人も、運ばれるお殿様もそれこそ「エコノミー症候群」になりかけていたに違いありません。それにおそらく、たぶん、きっと…酔います。


とにかく出演されている役者さんが個性派ばかり。今まで、脇役で馴染みのあった方たちが強烈な個性のある役柄をされているのを見るのも楽しみの一つでした。
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2019年07月29日

映画鑑賞記 『新聞記者』

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公開前から観たいと思っていた映画で、当初の劇場公開情報では、普段通いなれている映画館での上映はなく、そんなことから、上映期間が短いことが予想され、行くタイミングを逃すとみることが出来ないかも…と戦々恐々としていたのが、いつの間にか大ヒットの文字が踊り、上映館も爆発的に増えて行きやすい映画館での上映をみつけ、封切り後1か月経過してからでも無事に観ることが出来ました。映画の日でもなく、お得な割引制度もない日ながら、満席という盛況ぶりでした。

映画や小説は、娯楽として純粋に楽しませるという役割のほか、楽しみの中にも社会に対して物申すための方法の一つでもあるわけで、この映画は、日本の政治や政権を支える裏方の仕事の一部の仕組み、メディアの仕組みを垣間見せてくれるだけでなく、そういう組織の中にいる人たちの葛藤は、やはり一国民の、一生活者の思いでもあるわけで、もやもやしているのは、あなただけではないですよ、というメッセージを発信してくれているようにも感じました。

今生きている私たちと同時代を舞台設定とし、また扱う内容も今ここで起こっていることを題材に映画を作るのはなかなか難しいものがあると思われるのに、報道で知ったあんなことやこんなことが下地にあるのだろうなと感じされるような映画になっていてスリリングでさえありました。この映画が10年後、あるいは20年後にどんな風に観られるようになるのかにも興味が湧きますが、と同時に10年、20年経過してもここで表現されたことがそのままの構造で残っていればこれはまた問題だと思うし、また、日本という国に興味を持つ国内外の人たちが、この映画を観て、どんなふうに感じ、思うのかに興味があります。

演じられた俳優さんたちの表現力によるところも大いにあったと感じるこの映画。キャスティングに応じた俳優陣に感謝。この映画を作り出してくださったすべてのスタッフさんにも感謝です。

ラベル:映画 新聞記者
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2019年07月24日

映画鑑賞記 『工作 〜黒金星 ブラックヴィーナス と呼ばれた男』

映画 『工作 〜黒金星 ブラックヴィーナス と呼ばれた男』


事実を元にしたフィクションと謳われておりましたが、リアルに感じたのは、スパイの本来の姿は、こういうものなのだろう、という描かれ方だったから。そして、報道されていることの裏側にどんな工作が施されていたのかが、普段見るニュースのからくりを解き明かしてくれているようだったから。

このところのニュース報道で、またまたアレルギー反応を起こしている人が多くて観客激減なんてことになっているのかしら?と思ったらとんでもない。内容が内容だけに、平日にも関わらず混雑しておりましたこういうことってありなのだ。そして、何より嬉しかったのがメンズ・デイという割引をしている映画館だったということ。レディース・デイだけあるなんて、不公平極まりないと思っていたのです。男性だってお得な日があっていいですよね。消費社会を支えているのは女性だけではないのですから。

私がこの映画をぜひとも観たいと思ったのは、気になる俳優さんが出ていたからという、軟弱な理由なのですが、映画そのものは社会派で、骨太で映画じゃないと知りえないこと、国と国とのつながりの裏側には、いうこともありなのだ、ということに改めて考えを至らせてくれた、いわゆる「よい映画」だったと思っています。もちろん、事実に対する理解、当事者の思いは、監督・脚本を作り上げた人と演者のフィルターを通しているわけですが、物事の良しあしなどと言うのは、誰が判断するのだろう、という思いもありますので、むしろ、誰かのフィルターを通すことで分かりやすく、納得しやすくしてくれたと思っています。なんといっても驚きは、こういうテーマの作品は、その物事が起こってから数十年経過してから、なんというか時効になってから出てくるものだと思うのですが、政権が変わると、直前の政権が何をしでかしていたのかを暴露するのが通例になっている韓国ならではのスピードで実現した感のある映画です。

ラベル:工作 映画
posted by みほこ at 12:06| Comment(0) | 映画・演劇・音楽・読書 | 更新情報をチェックする

2019年07月07日

佐藤まどか&安田正昭 デュオ・リサイタルへ行ってきました

今日は、ヴァイオリニスト佐藤まどかさんとピアニスト安田正昭さんのデュオ・リサイタルに行ってきました。今年は、日本・フィンランド外交関係100周年にちなんでシベリウスの楽曲も含まれた100周年ロゴでお祝い気分も加わっているリサイタル。
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佐藤まどかさんのコンサートは久しぶりで、ちょっとドキドキ。
雨の中、上野駅から会場の上野学園・石橋メモリアルホールへは、七夕祭りのイベントのため、車を封鎖している通りを抜けて行きました。
1階席は、既に半分以上が埋まっている感じだったので、早々に2階席へ。舞台の真ん中を見下ろせる位置に席を確保できました。

【プログラム】
ストラヴィンスキー イタリア組曲
シベリウス 四つの小品
メシアン ファンタジー
ベートーヴェン ヴァイオリンとピアノのためのソナタ イ長調 作品47「クロイツェル」

いずれの作品も初めて聞くものばかりでした。

ストラヴィンスキーの作品は、食わず嫌いだったな、と大反省。こんなにもロマンチックな作品を作曲した人だったのだなと、驚きました。これから積極的に聴きたいと思いました。

シベリウスの作品の第一曲「ヒースにて」は、始まった瞬間から、フィンランドの夏、白樺の若枝のすき間から、きらきらと反射する湖面が見えて、湖の向こう岸にまで広がる森…という情景が浮かんできました。この第一曲と第二曲の「バラード」からは、シベリウスの別の楽曲のパーツが聞こえてきておりまして、これがシベリウス節なのかな、なんて空想を広げておりました。第四曲「鐘」は、唐突な終わり方をしていて、トーヴェ・ヤンソンの小説を読んだ時の印象と同じものと感じました。え?それで終わってしまうのですか?という聴衆へ投げかけて終わり、ガラガラぴっしゃん!で、かなり驚きました。

「クロイツェル・ソナタ」は、トルストイの小説とさだまさしさんの歌の中に出てくることで知っているだけで、今回、初聞き。圧倒的な安定感は、ベートーヴェンだからなのかな、と考えながら楽しみました。

デュオ・リサイタルなので、ヴァイオリンもピアノもそれぞれが主役ですが、演奏の際の立ち位置からどうしてもピアノが伴奏と思ってしまいます。それでも、ストラヴィンスキーとベートーヴェンの曲は、それぞれが主旋律を歌うところもあって対等なんだな、とふと我に返ったように思い返しました。シベリウスの楽曲のときは、佐藤まどかさんが譜面なしだったことと、シベリウスに造詣が深いという背景もあって主役ヴァイオリンの曲と思って聞いていました。元々作曲家シベリウス自身がヴァイオリン弾きだったので、ヴァイオリンという楽器の魅力とできうる限りの技能を要する楽曲に仕上げているようにも思えました。

それにしても、太くて響く低音と、時としてきらきらとした音も奏で、繊細な音も響かせる高音。からだ全身を使って演奏する骨太な演奏スタイルが音にもよく出ていて、弦楽器としてはちょっと苦手なヴァイオリンの音を、こんなにも魅力的な音が出る楽器なのだ、ということを聴かせてくださいました。

アンコール曲は、3曲。

エルガー「愛の挨拶」 何かとよく耳にする曲ですが、リズムといい、速度変化といい、プロって違う、とうなりました。
中村八大 「見上げてごらん夜の星を」 今日は七夕なので…というご挨拶とともに。ちょっと泣けた…

最後は、ピアソラ「リベラルダンゴ」 ノリノリで大盛り上がり。演奏されているお二人がとにかく楽しそうで、迫力もあって、生演奏ならではの臨場感もたっぷりと味わいました。

素敵なデュオ・リサイタル。どうもありがとうございました。

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2019年03月30日

文芸誌 yom yomを読んでおります

そんなに高らかに言うものではないと思いますが、今頃になって文芸誌yom yomをvol.1からヨムヨムしております。この文芸誌、創刊のとき、なんだか面白いのかも、と思って買い求め、100%Orangeさんの表紙の最終巻まで買い続けておりました。実は、この間、ちゃんとすべてを読んだ号はなく、途中、ぱらぱらと抜き読みしていたことがあった程度。それでも、出れば買うというわけのわからないことをやっておりました。創刊号が出たのは、平成18年12月。小説新潮1月号別冊として出ています。平成23年11月のvol.23.まできれいに書棚に並んでいるのを眺め続けていたわけです。おそらく、あれから今までの間に引っ越しというものもあったのに、古本屋さんに持っていくこともなくずっと持っていたのは、いつかきっと読むだろう、という気持ちがあったから。創刊号からvol.23まで変わらずにあったのは、資生堂TSUBAKIの巻頭広告とエッセイ。巻末広告は、SoftBankやらファッションブランドなどいろいろ。

さて、なんで今頃yom yomなのかと言いますと、友人たちと「読書会」なる集いを月1回のペースで始めて3年目に突入、その中で、1月に、一応読書の傾向など、今年のこだわりをお互いに発表するようになっておりまして、そこで何か言えるものはないかなぁと考えた末、「yom yomを読む」を宣言してしまったからなのです。私たちの読書会の記録もブログ化しておりまして、皆さまに知っていただくものではなく、自分たちの記録のためなのですが、開催回数も増えて来たので、今年からこちらのブログからリンクもはりました。会の名前は、「すずらん読書会」という昭和な名称ですが、参加者みんな昭和人ですし、参加者みなさん「フィンランド」つながりな人たちなので、そんな名称にしております。

さて、このyom yomという文芸誌、今はいったいどうなっているのだろうと、調べてみたら、完全、電子版雑誌になっておりました。そうか、電子版愛読者の方が増えたのね、と時代の移り変わりを感じました。電子版、とても便利だと思いますが、誰かと本を読むことの楽しさを共有するには、ちょっと味気ないかなとも思っております。「ねぇねぇ、これ、この小説、読んでみて…」って渡せない…

文芸誌というものを読む習慣がなかったので、どんな感じなのかな?と思っていたのですが、エッセイ、小説、評論なんでもありのてんこ盛り。こんなに面白い作りの「雑誌」だったのか、とドはまりしております。特に過去に出たものを読んでいるので、連載エッセイ・対談などは、過去にいつまでこの連載は続いていたのかな、と近未来(過去だけど)をずるしてみることができたり(自分の決め事として、内容までは読まないようにしています)読むこと以外にも楽しみ方がたくさんあって面白いです。ひと月に1号を読むと決めているので、毎日の通勤に必ず持ち歩いていて、重たい荷物がまた重たくなっていますが、電車に乗っている距離に合わせて読む場所をいろいろ選ぶことができるのも楽しみの一つ。文庫本や単行本になる前の蒸しあがったばかりの肉まん状態で読めているというちょっとした優越感も疑似体験中。なによりも、エッセイ集になると、どうしても同じ思考の文章を読み続けるため、ちょっとだらける感じになるのが、いろいろな文章が一緒くたになっている雑誌だと、その号の雰囲気の中で読む「なにがし」さんのエッセイなので、ふむふむ。とするっと毎回楽しく読めてしまう、という発見もしております。vol.2は、石井桃子さん特集だったのですが、この頃はまだご存命だったのね、と不思議な気持ちになりました。yom yom読書、現在vol.3まで来ておりますが、1か月、持ち歩いているにも関わらず、毎号隅から隅まで読み切れておりません。また、いつか引っ張り出して読もうと、月が替わると次の号に突入します。3月も明日で終わり、今月中に、yom yom vol.3あとどれだけ読めるかな。

年度末で、久しぶりにゆったり週末。久しぶりに他愛もないことを書いてみました。





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2018年12月30日

混声合唱曲 Enfance Finie 初演

先日、合唱で舞台に立ったことを「ひさ〜しぶりに合唱で舞台に立つ」と題して書きましたが、その時の演奏音源が公開できるようになりましたので大公開。
主旋律が低音パートにも分散されていたり、男声合唱部分があったり、私たち皆が大好きだったア・カペラになる部分もあったりと、歌い手にとって難しくも楽しみながら歌える曲です。

個人的には高校生の頃と変わらぬ美しいテノールを聞かせて下さった先輩方の声と真横から楽しめる男声合唱部分に感動しながら練習と本番に臨みました。

合唱団は、ソプラノ5名、アルト5名、テノール4名、バス3名という構成。途中、全てのパートで別れるところがあってなかなかスリリングでもありました。

多くの合唱団の方に歌っていただきたいな、と思います。




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2018年11月11日

「ワンダーランド」と「ヴァイオリニスト」〜フィンランド映画祭2018

っな

「ワンダーランド」
原題を直訳すると「クリスマスの国」。ワンダーランド、いいタイトルだと思いました。クリスマスの奇跡。奇跡だと、ミラクルが起こる印象になってしまうので、ちょっと違うかも。クリスマスという特別な期間だからこそ起こった出来事。クリスマスがきっかけでその先に向かうことができそうだよ、と言うことがメッセージだったのかなぁ。

みんな、家族という人間関係に悩んでいて、それをどうにかしたいともがいていて、もやもやしているところ、クリスマスと言う日常とは少し違う時に出会いや再開がきっかけで新たな一歩を踏み出せるかも、というところまで一気に進み出す、そんなドラマに立ち会う映画でした。新たな一歩のために、へべれけに酔って、お酒の力を借りて何とかしようとするところは、おそらくフィンランドならでは。夫婦関係の悩みを会話ではない方法で表現するのはいつものことすぎて新しさはなし。描かれたモチーフの中に今のフィンランドを感じる点がいくつか。
どういう事?何が起こっているのかな?と、思考回路がショートしそうなところもありましたし、これで終わり?というなんというか、フィンランドの小説を読んだ時に感じるのと同じような結末の映画でしたが。

「ヴァイオリニスト」
マエストロは、そんなに孤独なものなのでしょうか?
本当の主人公は、事故で活動ができなくなった第一線で活躍していたヴァイオリニストとその愛弟子。この二人に関わってくることになるマエストロのセリフと迫力が一番印象に残りました。天才的な人の思考と行動は凡人には理解できないよね、ということを描く筋書きは定石通りで特別に凄さを感じるものではなかったですが、それでも観てよかったな、と思えたのは、美しい音楽が流れていたことと、楽器をストイックに練習する姿やオーケストラと独奏者が演奏会を前に戦うようにマエストロの要求に応えるべく繰り返されるリハーサルの一旦が描かれていたから。普段表に出ない場面が描かれる映画やドラマって好き。






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2018年10月18日

ひさ~しぶりに合唱で舞台に立つ

高校時代 音楽部という名の合唱部に所属していました。
パートは、混声はソプラノ~アルト(要は人数合わせであっちへ行ったりこっちへ行ったり、ふらふら組)。女声合唱では、メゾソプラノ。
このクラブ活動で一緒に歌っていた高校同窓の先輩がTIAA全日本作曲者コンクールの「合唱・重唱」部門で奨励賞を受賞。受賞作品のお披露目演奏会に出演するために急遽立ち上げた同窓生中心の合唱団に参加させていただいて歌ってきたというわけです。

練習時間は、計4回、正味12時間。演奏そのものが審査対象になるわけではありませんが、何せ初演。作曲家の「先生」がたのほとんどは、音楽を専門に学んだ方ばかり。つまり、演奏者としてのお仲間もプロばかり。我々だけが、音楽を生業としてはいない人ばかりで構成された合唱団。助っ人さんでお願いした方々は、プロの方でしたが、こんなんで出演してもよいのでしょうか?という心持ちで始まった練習でした。
もちろん、クラブ活動に所属していた人たちは、もともと合唱が好きで歌っていたわけで、音楽の授業でやる合唱とはわけが違います。その上、高校時代のクラブは、どんなクラブでもかなり真剣に練習するものですし、大学や社会人になってからも歌っていたメンバーがほとんどなので、音出しをした時点で、「あの時代」が蘇りよいスタートは切っていました。短い練習ではありましたが、録音して聞き直すなどという、現代の文明の利器を駆使していた人も多数。高校の同窓会で合唱祭をやっている関係で、同窓生合唱団(同じ卒業年度単位で合唱団を組むスタイル)で歌っているメンバーも、声の出し方、まとまり方が全然違うと唸るほど。自分がこのメンバーで歌っているのに、自画自賛状態ですが、演奏会の本番ではかなりよい演奏ができたと思います。舞台上での集中力がすべて演奏の力として注がれた感じでしょうか。

練習中は、母音と子音の発し方が合わないとか、ピッチが違って声質も違うから合わせにくいのを合わせるにはどうすればよいのか分からなくて困り果る時もありました。大人になった分、学生時代に比べて周囲を見る(聞く)余裕ができ、また、絶対的な練習量に限界があるがゆえに集中力も高かったのでよいこともたくさんあったと思います。歌詞の解釈も曲想の理解も、パートとパートのつながりもそれぞれが気づき合いながら、調整しながらまとめて行ったような印象も残っています。

実際の演奏音源は、まだ公開できないのが残念ですが、三好達治の「Enfance finie」が歌詞となった混声合唱曲です。同じ詞で既に男声合唱が存在しますが、全く違った曲調です。作曲者によってこんなにも創造する世界が違うのかと驚くばかり。つまりは、国語で読むいろいろな作品も読み手によって感じ方は千差万別なんだよね、ということの好例のようにも思えます。

舞台の裏側では、そんなことあるの!?という笑い話ネタも発生していて、超ド真剣な堅苦しさばかりではなく、適度な緩さもあった面白い一日でした。

作曲家先生のFBも公開ました。
作曲家 石川宏


当日、写真撮影があることを予想し、また、ピアニストさんへの感謝の気持ちも表したくてこっそり作曲者、指揮者分と共にお花も用意。普段選ばないような可愛らしい系でまとめたかったのでお花選びではかなり迷いました。適度な大きさで適度なやさしさのあるお花に仕上がったかな、と思っています。記念画像を上げておきます。


作曲者さんには…

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指揮者さん。
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ピアニストさんへはアレンジメント。
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(歌)詞の内容に少しこだわってみました。












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2018年07月16日

【映画鑑賞記】天命の城 

【映画鑑賞記】 『天命の城』

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英語タイトルは「要塞」で、韓国語原題は、「남한산성」南漢山城。
日本語タイトル、素晴らしすぎます。本当にここが朝鮮王朝の第16代の王・仁祖の治世の運命の分かれ道だったわけですから。

この映画の魅力の一つは、間違いなく主演のイ・ビョンホン。でもそれだけでなく、史実を元にしていることをなぞって、この史実を知っている人たちが共感したり、史実を知らない人へ、歴史を伝えるという役割。そしてそれ以上に、人間のサガ、統治者の苦悩、取り巻き(官僚たち)の事なかれ主義やとりあえず亜流に対しては反対すればよいと思っていることがありありとわかる言動、そして、一般市民の平穏な生活への思い等、国と言う構造があれば、否が応でも出てきてしまうあらゆる人間模様が丁寧に描かれている点も好感度を上げた理由。

王の前で忠臣の二人がその方針を巡って最後の説得を繰り広げるあの場面。二人が王に説こうとしていることが、字幕の台詞ですら鳥肌モノだったので、原語で、言葉のニュアンスも分かれば、もっと心にじんわり広がったのかもしれません。

139分とちょっと長めのこの映画。冒頭からがっつりおやすみになっている方もおられ、嗚呼、もったいない、と。涼しい映画館の中でようやくゆっくり眠れたのでしょうね。



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2017年12月22日

「行こう!野ウサギ」観劇記

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とっても久しぶりの小屋観劇。その空間が何とも快適でした。


パーシリンナの原作とは、笑いのツボが違うかな?と感じましたが、演劇だからこそ出来る表現がそこここに。


舞台上の人たちは、現実世界の私たちを巻き込もうと画策してくるのですが、現実世界の我々が小屋という特殊空間に閉じ込められているにもかかわらず、なかなか彼方の世界に行かないというか、行けないというか、観客みんな、お義理で来ている批評家たちか?と思ってしまうほどの乗りの悪さ。それとも、皆さん、フィンランド人に負けず劣らずシャイな方たちばかりだったのかしら?私、一人で笑っていたようで恥ずかしかったです。


開幕前と休憩時間に流れていた歌は、フィンランドの曲を日本語で歌ったもので、声といい、歌詞といい味があって好きでした。劇中の音楽も哀愁漂い、コメディもあり、エルビスもムーミンもありでかなり凝った作り。


脚本の中にフィンランドのことを説明するための時間も割かれていて苦心されて作ったのだろうな、ということがとても感じられました。フィンランド版も観たいなと思いましたよ、この辺りは。


登場人物それぞれが発する言葉は、物語を紡いでいるだけでなく、人が生きるってどういうこと?ということをそれぞれのセリフが単体のメッセージとして発しているようにも思い、そのメッセージは、休憩後の後半でより明確に、しかもわかりやすく伝わってきました。何が?と聞かれても、かくかくしかじかと簡潔に説明はできないけれど、言葉と空間という電波を通じて感じ取ったと思います。


好きなシーンがいくつかあって、サウナのシーンは特に好きでした。サウナストーブに水をかけ水蒸気が立ち上がるたびに、あの心地よい香りも立ち昇っているようで、これが演出だとしたらすごいことだと思いましたが、実際のところはどうだったのでしょう。単に私の嗅覚的記憶が刺激されただけでしょうか?


小劇場の舞台を観に行くというのは、私にとっては敷居が少し高いこと。次回はいつのことになるのやら、なのだけれど今回は行って本当に良かったです。生の舞台が至近距離で、セリフが全てマイク無しで伝わってくるということに妙に感動していました。あの野うさぎ君の耳帽子欲しい。あ、そういえば、見猿聞か猿言わ猿シーンのとき、野ウサギ君、耳は人の耳の位置を触れていて、君はホントに野ウサギ君なのか、ヴァタネンさんの心の中の存在なのか?と初めて思い至りましたよ。


早稲田公演 1223日土曜日まで。小劇場観劇デビューにもおススメ。公演ポスター&チラシも素敵なので、画像付きで公演WEBへリンク。

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2017年09月16日

【映画鑑賞記】『関ケ原』

一応、映画館まで出向いて鑑賞した映画なので記録として。
どうも最近、「時代劇」映画づいています。しかも、戦国時代。

大河ドラマ「直虎」より少し後の時代故、成人した寅松が出てくると、お~、立派な大人になってと思います。石田三成様は、どうしても、黒田官兵衛にしか見えず、真田丸のときの、実践を知らぬ石田三成像とのギャップで脳内修正がたいへんなことに。島左近さんの印象はあまり残っていないのだけれど(真田丸のときの。インパクトのある脇役さんが多すぎて登場回数が少なかった方は、どうしても記憶が薄れる…)、今回は、三成に仕えるこの年長の軍師、島左近様が風格と言い、貫禄と言い、台詞回しといい印象に残りまくりです。平岳大さんは、ドラマ「塚原卜伝」の時の山崎左門役のような大真面目でよい人も、映画「のぼうの城」の時の超傲慢な長塚正家もよかったですが、少し年齢が上がってますますいい味が出てきているように思います。声がいいのよね。

肝心の映画について。

みな、どんなところを観て「いい映画だ」とか「楽しめた」と言うのかな、と疑問に思った作品でした。
とにかく、セリフが聞き取れない。私の耳が悪いのだろうか!?と思うくらいに聞き取れない。
激昂する場面が多い。戦三昧の日々だから、それは、何となく理解できる。でも、それ故に早口にする必要があるのだろうか?もしかすると、あまりにもたくさんのことをを語らせたくて、尺の関係もあって早口に、という演出だったのであれば、それは、いかにも驕った考え方かと。現実にけんか腰になれば、相手が話をしている上に追うように言葉が出ることではあるけれど、どなりあっている上に、複数の人間が重なり合うように言い合うセリフも多く、肝心なことが聞き取れず、臨場感も味わえない。とにかくそういう意味では、とても残念な映画でした。
史実を元に、歴史上、知られた人物が登場するわけだから、セリフなど明瞭に聞き取れなくても、理解すべし…と思っているのかな。
ラベル:映画
posted by みほこ at 20:49| Comment(0) | 映画・演劇・音楽・読書 | 更新情報をチェックする

2017年07月25日

【映画鑑賞記】『朝鮮魔術師』

ファンタジー映画と紹介されていたので、ファンタジーだ、と思って観ていましたが、そういう前情報がなければ、最後の場面でやっとファンタジーだったのか、と気がつく、そんな作品ではなかったかと思います。

主演俳優さんが好きで観に行ったのですが、さすがの演技で、リアル感満載。冒頭部分は、薬でいかれているという状況で、そういう状況が、トリックをやっている場面と重なるとはらはら度が上がります。

魔術というと、恐ろしい感じですが、要はトリック、マジックを魅せる集団と、そこに偶然居合わせた、清国へ興しいれのために旅をしていた一行が交差することで生まれた物語。
恋に落ちちゃった男の子と女の子の物語に、本来交わることのない違う身分の、そして、本来の自分と自分の職業的身分の狭間でもどかしい思いを抱いている者同士が一緒に時間を過ごすことで、自分らしくなれることに気がつき、その心地よさに開放的になって、前向きに生きようとする物語が重なっています。そんな彼らの周りには、厳しく温かく、楽しく見守る人たちや、己の恨みを晴らそうとうごめく人間模様も。

魔術師たちの奇想天外な発想から生み出される、夢を現実にかなえてしまう楽しさ。手品と呼べるような小さなトリックで、人を喜ばせる楽しさ。トリックを実現するために施されているあらゆるからくりの調った舞台裏で起こる駆け引きは、残酷さもありながら、はらはらと楽しませてくれる場面でもありました。

終わってすぐよりも、こうして思い返すと、また観たいと感じている映画で、つまりは、そうとう気に入った映画なのだと思います。

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ラベル:映画 韓流映画
posted by みほこ at 15:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画・演劇・音楽・読書 | 更新情報をチェックする