2015年09月02日

ヒッチコックが、シャルフベックの絵を参考にした!?

シャルフベック展を応援すると宣言したのにもかかわらず、このテーマに関する投稿が滞っておりますので、久しぶりに一つ。

2001年7月6日号のスオメン・クヴァレヘティ(Suomen kuvalehti)に掲載されたシャルフベック関連記事のことをご紹介します。
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2015年06月21日

シャルフベック展@東京に行ってきた その3

あれよあれよと言う間に、シャルフベック展@東京に行ってから早一週間。書きたいこともあったはずなのだけれど、私が絵について思ったこと、なんてものを書くのも変だろうし、第一まだ思っていることを上手く表現出来ないので、いつの日か書ける日が来ることを楽しみに、今日はミュージアムショップで思わず買い求めてしまったものや、気になったものについて書いてみようとおもう。

展覧会カタログ

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どんなに気に入った展覧会でもカタログまで買い求めることはないのだけれど、専門家の方々がどんな風にシャルフベックの絵のことを分析し、捉えているのだろうということが気になって仕方がなかったので迷うことなく一冊購入。東京会場では展示のない一作品も含め、今回来日する全作品が収められている点が魅力。
そして、展示テーマも明瞭に丁寧な解説と共に構成されていることも嬉しい点。

絵はがき

迷わず好きな作品を選びました。

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左下は、今回おほっ、と思った「赤いりんご」。淡い色合いも好きかな。
絵はがきを素敵に飾ることができる紙製フレームもあって、その額縁に入れるだけで絵の印象がとても変わるのだけれど、今回は購入せず。

他にも気になったミュージアムグッズがいくつか。さすが芸大…と思ったのは、楽器やト音記号のクリップ。面白い、と思ったのは、起こし文というハガキ。選ぶのに迷いまくって次回持ち越し。

東京会場の会期中にもう一度行けると嬉しいな。

2015年06月15日

シャルフベック展@東京に行ってきた その2

初訪問の芸大美術館。玄関を入ったところの広さと天井高の高さの気持ちの良いこと。
展示室は3階。あまり格式張った感じはなく、かと言って、商売っ気もなくアプローチの展覧会タイトルがすっきりしていて、入り口をぐるっと回り込むと展示室。真っ先に目に飛び込んできたのがシャルフベックがパリ留学に行くきっかけとなった作品。大好きな作品の一つで、アテネウム美術館で見ていた作品を東京で見ることができている不思議さ。あれも、これも持って来てもらえたのか、と絵を見ることができる嬉しさよりも、そんな思い、感慨が勝りました。

展示は大きく5つのテーマ構成で、テーマの意図と、シャルフベックの生き様の変化が連動している、ということは、先日参加した講演会の内容もあいまって、想像しやすく、一つ一つの作品をばらばらに楽しむという楽しみ方と、幾つかの作品をまとめて比べたり、集合体として、展示の流れで画家という表現者の変わり様に目を向けることができたように思います。

殊に自作の再解釈となっている作品群は、何十年という時を経て描かれている作品で、果たして本人はこうやって絵を並べてみたことはあったのだろうか、と回顧展というこの機会に遭遇できたことが贅沢なようにも思われました。

今回、私の目を引いたのは、「赤いりんご」という作品。同じ展示スペースにあった作品の中にあって、一際目を引いた作品となりました。たぶん展示の並び方と私が見て回った順番によるものだと思いますが、お、可愛いな、と思つてしまったのです、珍しく。

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2015年06月13日

シャルフベック展@東京に行ってきた その1

週末だと猛烈に混雑しているかしら?と多少心配しつつ、シャルフベック展に出かけてまいりました。

10時前に到着。並んでいるというほどてはなかったので、まずは、黒田記念館のある建物の上島珈琲さんで軽く腹ごしらえ。

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上野駅から芸大迄の道程で、美術展の看板とともに。

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現在博物館として閉館中の旧音楽学校奏楽堂。

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きっちりしっかり鬼がわら。隅から隅まで鬼がわら。

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音楽学部の正門。楽器を抱えて出入りする人がちらほら…

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国立博物館は海外からのお客さまがたくさん来られていました。一方、国立科学博物館は家族ずれがたくさん吸い込まれていってました。私は、入り口に鎮座していたD51に吸い寄せられました。真っ黒の車体、かっこよすぎます。

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そして、今日は、西洋美術館でファンデイと言うことで、イベント仕掛けの無料入館日。
せっかくなので、大好きな作品を久しぶりに眺めて来ました。目的の作品までまっしぐらに突進しましたが、お馴染みの作品は、あ、この絵ってここで観てたのか、と立ち止まって観る作品もいくつもありましたし、惹かれる作品が変わったようにも思います。

中庭の『考える人』と。
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今日一番のお気に入りはこちら。

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彫金課の学生の手によるもの。味あり過ぎ。


展覧会のことはまた次回…






2015年06月03日

ヘレン・シャルフベック ―フィンランドのモダン・アーティスト 講演会

昨日、6月2日から始まった「シャルフベック展」の講演会にお邪魔した。時間の関係で、まだ展覧会会場には足を踏み入れていないのだけれど・・・
上野の公園口側に降り立つのは久方ぶり。上野文化会館も西洋美術館も以前はもっと大きく見えたものだけれど、周辺の樹木が成長したのか、それとも駅に降り立った時間が既に夕暮れ時だったからか、落ち着いたいい雰囲気に感じられた。芸大の方まで歩くのは初めてのこと。下校中の芸高生や芸大生たちとは逆流するように歩いて芸大美術館奥にある講演会場へ。
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講演時間は質疑応答時間も含め90分。導入部分のお話のときは、長いと感じる講演になりそうと思ったものの主題に入ってからは時間の経過が早かったこと。専門家や研究者のお話は、往々にしてその分野に詳しい人でないと意味不明だったりするのだが、今日の講演会は、おそらく専門家はその目線で話を聞くと納得でき、芸術は心の栄養、疑似体験などと位置付けているような素人な私でも、なるほど、と思えるポイントがいくつもあるわかりやすい講演で、無理やり時間をやりくりしてでも出向いてよかったと思った、というのが素直な感想。
シャルフベックの作品を見るにあたって、研究者としての注目点を要点をしぼって紹介してくださったので、絵を鑑賞する際の観方の幅を広げ、今までとは違った楽しみ方を教えてもらえたと思ったのだ。今日伺ったお話は、一人の画家の作品をまとめて観ることができる機会に恵まれた今だからこそ、堪能できる方法だとも思う。そして、シャルフベックの描き方の変遷、描く対象物の変化について、シャルフベック自身が触れた先人たちの作品から受けた影響について、もちろん、影響や刺激を受けるのは当たり前のことなのだと思うのだが、やはり、そうなのか…と再認識。色彩への挑戦、削ぎ落として描くという手法の探求。回顧展の副題ー魂のまなざしー 納得。

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帰り道〜。



2015年06月02日

シャルフベック展初日まで カウントダウン 0(ゼロ)

今日から始まるシャルフベック展。
楽しみです。芸大美術館がどういうところなのだろう、という興味と、どんな作品が、どういう間隔と並びで見られるのだろう、と。

カウントダウン0に選んだ作品はこちら。

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『砂の穴にいる少女』なのだけれど、「白砂でたわむれる少女」ってしたいな。シャルフベックは自画像の画家、人物画の画家だと思うのだけれど、外にいて、何かをしている様子を捉えているこの絵はフィンランドの夏の、日が長い一日をのんびり過ごす夏休みの一場面かな、と想像します。

唐突だけれども、一人でこうやって黙々と遊ぶ子どもってとても好きだなって思う。

さて、美術展。開館時間が仕事持ちには難しい。仕事の後に行ける日の設定があると嬉しいのだけれど。週末は混みそうだし…いつ行けるかな…。






2015年05月30日

シャルフベック展初日までカウントダウン 3

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一ファンとしてはジャポニズムという潮流が、フィンランドに住むシャルフベックに到達したのはいつのことなのだろうと想像するのも楽しい作品だ。フィンランドの黄金期の画家たちが描いた作品に見ることができるジャポニズムという文章を読んだことがあって、その中で取り上げられていた絵だったのだが、画家は誰なのか意識しておらず、ヘルシンキで開催されていた特別展で(アテネウム美術館ではないところ)展示されているのを見て驚いたのだ。
そして、シャルフベックが残した作品にもっと花を題材にした絵はないのか、という思いを抱いた作品でもある。

作品名 和風花瓶に挿したパンジー
1887年頃

背景のピンクのものは、竹製団扇。

2015年05月28日

シャルフベック展初日まで カウントダウン 5

この作品も画家の名ではなく、絵に惹かれたものの一つだ。初めて観た時は、こんな場面に居合わせた経験がある人の作品だろうと思いこんでいたのだが、シャルフベック作ということ、作品のテーマが第二次ロシア・スウェーデン戦争であることがわかってから絵を描くことができることの凄さを感じた作品となった。

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作品名 は、『傷ついた兵士 〜雪原にて』とでも訳せるだろうか。

シャルフベックが18歳のときの作品だ。
日常ではなく、非日常、しかも、過去の大きな出来事の中の、おそらく些細な一場面。しかも、モデルがあったわけではないだろう事柄を、想像して、現実味を帯びて、というより現実にあったかのような、写実しているような描き方。私にとって、芸術家たちの社会への発信力というものに気づくきっかけとなった作品だ。

2015年05月26日

シャルフベック展初日までカウントダウン 7

これぞシャルフベック、という作風なり作品のテーマなりが出来てきたのはおそらくこの作品よりも後のことなのだろうと思うのだが、まだ、シャルフベックっという画家の名前を知らず、アテネウム美術館に初めて行ったか、あるいは幾つか再度見たい作品があって、美術館に再び足を向けさせた作品の一つであったはずの絵がこれだ。

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「妹に食事をさせる少年」

高校生の頃、いろいろな美術館、美術展に足繁く通っていた頃に観ても観ても観たりないと感じたギュンター・クールペの「波」(国立西洋美術館にありますね)や、オルセー美術館で、その建物の構造にも感動とも言える衝撃の中で、ミレーの「晩鐘」を目の前にした時の喜びに似た感情を抱いてしまった作品です。

子どもたちの会話まで聞こえてくるような表情に惹かれたように思います。


2015年05月24日

シャルフベック展初日まで カウントダウン 9 

今回のシャルフベック展では、どんな作品を日本で見ることができるのだろうという期待を膨らませつつ、今まで実際に見たことがある(はず)の作品の中で、印象に残っている作品を初日を迎えるまでの間に振り返っておこうと思います。

アテネウム美術館@ヘルシンキの常設展示以外でも、2012年の生誕150周年を記念してフィンランド各地で開催されていたいくつものシャルフベックの展覧会では、休暇でフィンランドに滞在中に可能な展覧会には足を運び、こんな作品もあるんだ、こんな作風の時期もあったのか、とびっくりしたものです。シャルフベックと言えば、人物画、自画像という印象が強かったので、花をモチーフにした作品を見たときはとても驚きました。そして、その作品の筆のタッチが優しかいのがまた印象的でもありました。いくつもの作品が展示されているにも関わらず、その作品だけ、何度も繰り返し観てから会場を後にしたものです。
どんな展覧会、常設展でもそうですが、好きだなと感じた作品は、順路の最後まで行ってから、また、ぐるっと回ってもう一度観たりします。実は、観て回っている間にも、あれ、気になるなと思えば、もう一度、その展示室に戻ったりして眺めることも多々あります。運よくその絵の前に人がいなければ、遠くに離れたり、近寄ったりしながらぼけっと眺めたりもします。そして、帰るときに立ち寄るショップで必ず確認するのが葉書になっているかどうか。葉書になっていれば、もちろん、買い求め、自宅で葉書美術館にして楽しんだりするわけです。

さて、今日の振り返り作品は、花の静物画。
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瞬間的な印象ではアジサイにも見えますが、日本語では、ミスミソウと呼ばれる青いお花がモチーフ。作品タイトルを訳すとすると「かごの中の蒼いミスミソウ」かな。1886年の作品。

モチーフが花であるということ、そして、花の色の青がとても鮮烈でした。パンとか、果物の静物画は観たことがあったのだけれど、お花ってこの時初めて見たかもしれません。柔らかい気持ちにさせてくれる作品だったと記憶しています。この作品を見たのは、ヘルシンキ市内の海沿いにあるヴィラ風美術館。(名前は失念・・・)。週末で、地元の人たちも大勢来ていましたし、学芸員によるガイド付で回っているグループもあって、多少雑然とした会場でした。でも、少し待っていると、落ち着いて観られるようになりました。作品そのものだけでなく、この作品を観た時のこともはっきりと覚えていることにちょっとびっくり。

2015年05月18日

ヘレン・シャルフベック展 勝手に応援中。



今日はまず、手元にあるシャルフベック関連書籍の整理。この機会にじっくりと、行ったり来たりしながら半冬眠していた書籍と向き合えることが楽しい作業になりますように。

タイトル、出版社名、発行年、著者名の順。
タイトルについては、カッコ内に仮邦題。


Helene Schjerfbeck Paljas minäni
〔ヘレン・シャルフベック ありのままであること〕
WSOY 
1991
Eija Kämäräinen


Helene Schjerfbeck
Ateneum
1992
アテネウム美術館発行の画集。

Ja kukaan ei tiedä millainen olen
Taide
2000
Leena Ahtila-Moorhouse
〔そして、自分を理解している人はどこにもいない〕う〜ん、かなり意訳。
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Helene Schjerfbeck Malleja
WSOY
2003
Lea Bergström, Sue Cedercreutz-Suhonen
〔ヘレン・シャルフベック モデル〕
シャルフベックは、多くの人物画を残した人ですが、その絵のモデルになった人たちの写真画像と解説。
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Helene
WSOY
2003
Rakel Liehu
〔ヘレネ〕シャルフベックを題材とした小説。日記風になっており読み応えあり。


Oma tie Helene Schjerfbeckin elämä
OTAVA
2004
Riitta Kontinen
〔我が道 ヘレン・シャルフベックの生涯〕


なんでこんなにシャルフベックに関する書籍が溜まったのかと考えてみた。

展覧会、しかも、一人の画家に特化した展覧会会場で、主催者あいさつに続いて会場の冒頭に必ずに掲示されているものと言えば、作家の来歴。

作家が世を去り、作家や作品のことを職業として紹介したり、学術として研究対象とする人たちが、ああだ、こうだとその作家や作品を考察し、その成果としてしたためるあれ、だ。

私は、あれを読むのが苦手だ。読んでもさっぱり頭に入ってこないのだ。そして、何より会場の仄暗さは読むのに適してはいない、と思うのだ。

もちろん、興味があるから会場にまで足を運ぶわけだから、作家について、作品について、知りたいと無意識に思っているし、知っているとまた違った印象になるのも事実だ。それ故、例え、写真であっても繰り返し好きな作品を見られると嬉しいと画集を手にし、自分の部屋をミニ美術館にしたくて絵葉書を買い求めてしまうようだ。






2015年05月12日

シェルフベック(シャルフベック)がやってくる!

フィンランドへ旅して、美術館(特にアテネウム美術館@ヘルシンキ)に足を運んだことがある方なら、必ず目にしているはずの画家ヘレネ・シェルフベック(ヘレン・シャルフベック)の作品たちが日本にまとめてやってくるという話を聞いた時、嬉しくて仕方ありませんでした。日本の美術の教科書で取り上げられていない画家なので(今後は、教科書に登場する可能性もあるでしょうか。)なかなか、難しいのかなと思っていたのです。もちろん、過去に開催された「フィンランド美術展」的な展覧会開催時には、数点、展示があったようだし、いくつもの作品がアラビアの絵皿にもなっているので意外と「あ・・・見たことある」という人も多いかも。

まず、読み方を「ヘレン・シャルフベック」と展覧会の名前にあわさせていただいて、この展覧会を勝手に応援させていただきます。応援と言っても大それたことを考えているわけではなく、フィンランドで発行されている画集や書籍、週刊誌スオメンクヴァレヘティ(イメージとしては、AERA+FOCUS+文藝春秋)に掲載された興味深い切り口の記事、自伝風小説に助けてもらいながら、改めて、シャルフベックの作品を楽しみたいと思っているところ。

今回の展覧会「ヘレン・シャルフベック―魂のまなざし」。東京(2015年6月2日〜7月26日)を皮切りに、仙台(2015年8月6日〜10月12日)、広島(2015年10月30日〜2016年1月3日)、葉山(2016年1月10日〜3月27日)と回るようなので、展覧会の追っかけも面白いかも・・・なんて。

今日のシャルフベックは、切手になった作品から。

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1991年発行のPro Filatelia切手。1990年代に発行されていたこのシリーズは、フィンランドの画家たちの代表作が切手になっていました。日本の切手趣味週間の記念切手的な存在かな。